■ はじめに
うつ病の夫を支えることをやめてから、生活が劇的に変わったわけではありません。
ただ、「自分の中の緊張が少し緩んだ」という感覚があります。
以前のように、相手の表情を読み取って動くことをやめ、
一歩引いて自分の時間を優先するようになりました。
支えるのをやめても、生活は続きます。
それだけのことなのに、私にとっては大きな前進でした。
■ 夫が変わらなくても、私が変われば世界は少し変わる
支えることをやめたからといって、夫が急に元気になるわけではありません。
むしろ、夫の生活はほとんど変わっていません。
でも、私が変わりました。
・無理に話しかけない
・感情をコントロールしようとしない
・静けさを怖がらない
これだけで、家の空気が少しだけ落ち着きました。
夫のために動くより、自分のために何をしないかを選ぶようになった。
それが、私にとっての「回復」だったのかもしれません。
■ 支えることをやめると、罪悪感がやってくる
支えるのをやめた直後は、少しの罪悪感がありました。
「冷たい人間になった気がする」「見捨てたのではないか」――
そんな思いが何度も浮かびました。
でも、支えることに疲れきっていた自分を思い出すと、
もう戻れないと思いました。
罪悪感はまだ完全には消えていません。
けれど、それも含めて“現実”なのだと今は思えます。
■ 「何もしない勇気」を持てるようになった
うつ病の家族に対して、何かしなければいけない気がしていました。
でも今は、「何もしない」ことも選択肢のひとつだと思えるようになりました。
相手を変えようとしない。
気分を良くしようとしない。
ただ、淡々と生活をする。
それは無関心ではなく、平常を保つための距離。
お互いが壊れずに生きるためには、
「何もしない勇気」も必要なのだと感じます。
■ 今の私にとっての「幸せ」
うつ病の夫と暮らしていても、幸せはあります。
それは“夫婦としての幸せ”ではなく、
“自分の時間を取り戻した幸せ”です。
朝のコーヒーをゆっくり飲めること。
静かな夜に、何も考えずに過ごせること。
誰かに合わせずに呼吸できること。
小さなことですが、それが今の私にとっての救いです。
支えることをやめたからこそ、気づけた穏やかな時間でした。
■ おわりに
離婚をするかどうか、答えはまだ出ていません。
それでも、「支えることをやめた今の自分」を受け入れられるようになりました。
誰かを支えることがすべてではない。
無理をしないことも、愛の形のひとつかもしれません。
このブログでは、これからも
“支えすぎない関係”“争わない生き方”を中心に書いていきます。
同じように迷っている人が、少しでも呼吸を整えられますように。


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